参考書
農と食文化という意味では農文協さんに大変お世話になりました。
(下の写真)私が麹作りをしたいと思って(いえ、味噌作りをしたいと思って)初めて手にした本は、右上の「つくってあそぼうシリーズの みその絵本」です。味噌って何から出来ているのかも知らない頃、こんな子どもでも解るような手順で”麹”というマニアックな食品が素人でも作れるとは、衝撃でした。
後に、「学校で、麹づくりから味噌を作ってみて欲しい」という思いになったのもこの本の影響です。
実際やってみると、麹作りは簡単ではありませんでした。
まず、私は麹そのものをよく知らなかったからです。味噌作りで最初に買った麹が粗悪でいろんなカビがはびこっていて、後になって騙されたような気持ちになったというイヤな思い出があり、自分で作るしか無いと思ったのです。
初回は、うまくいっているのかそうでないかすら解りません。廃業した知り合いの麹屋さんを尋ねて出来を診てもらったりしましたが、それでもこれがいい麹なのだ、という答えが見つかりませんでした。「うちの母親が作ってるよ。」といわれれば遠方でも電話して聞いたりしました。
結局同じような本を何冊も買ってみましたが、いろんなやり方があって(しかも成功談ばかりで)正直あまり参考にならなかったのです。近くに教えてくれる人がいれば・・。と苦しむふりをして私は失敗が嫌いではないので結構楽しんでいたりするのですが。
友人に貸して今手元に無いのですが、林弘子著の「和 発酵食づくり」これは大変参考になりました。麹に限らず、パンや酢、たまり、白醤油、それこそへしこなど、自分で作った経験や失敗談、アドバイスが書いてあって、私の発酵食に対する凝り固まったイメージをほぐしてくれました。これはおすすめです。忘れもしない池袋のジュンク堂に通いつめて見つけた本で、地方の大型書店でも見ることありませんので、苦労せずネットで求めてはいかがでしょうか?
和・発酵食づくり(林弘子)
材料
麹の材料は米と麹菌です。米は普通のうるち米の古い米で構わないと思います。以前、知り合いの農家が米を擦り過ぎたと言って捨てるというのでいただいた米で麹を作ったことがあります。見事に小さくなって、酒米の大吟醸レベルでした。小さい米なんて菌が育たないんじゃないの?とか人に言われましたが、特に問題なくできました。破砕米麹がある事もその時知りました。私にとっては、こうした二番手が活きることが無性に喜びを感じるところです。
玄米麹も作ることができます。レシピも記録しているので機会があればご紹介したいと思います。
麹菌は市内のエビスヤ薬局で買っています。ネットでもいくらでも手に入ると思います。一箱20gで2斗作れます。
私は買ってくると一回戦を米5升(7.5kg)5gづつに分けて密封し冷蔵庫で保管して使います。1シーズンでは使いきりません。麹菌もいろいろあるようですから、よっぽど自信がつけば試してみるのも面白いかなと思っています。
余談になりますが、米農家ならさらに面白いだろうなぁと思います。作りたい麹のイメージで米作りができるからです。あるいは、古米活用でもいいし、質の良い部分をとって残ったものを無駄にせず活用しきる醍醐味を味わえるからです。